第49回古流剛柔空手道選手権大会植村杯が徳島県北島武道館で令和7年6月8日㈰に開催されました。
目次
第49回古流剛柔空手道選手権大会植村杯が徳島県北島武道館で
選手参加道場
徳島県からは北島道場、徳島大学、四国大学、ハッピー空手教室、奈良県からは奈良道場、香川県からは本部道場、高松道場、香川大学、丸亀南道場、勇清会、丸亀道場から選手が出場(76名が登録)しました。
私は会場で錬士四段の免状をいただきました。
丸亀道場から出場
丸亀道場からは小学生3名、中学生1名、大人有級の部2名、有段の部1名が出場しました。
私の出場した理由と目標
私も10年ぶりぐらいに有段の部に出場。
出場した理由は大学3年生の長男が久々に大会に出場するので親子で大会に出る機会ももうないかなと思うので一緒に出たいという気持ちが強かったのと長男が出場となると組手の練習相手を頼まれるので成長して強くなった長男の練習相手を務めるのには私も大会に出場するぐらい練習して仕上げる必要があるのと50歳を超えた自分が今どの程度やれるのか試したいという3つの理由から大会出場を決めました。
私は大会前の1ヶ月ぐらい前から毎日しっかりトレーニング(10年前に大会に出場して自分の弱さが分かったのでそれからほぼ毎日1時間程度トレーニングはしているのですがその強度を大会用に強めました)して長男とも道場の練習以外に体育館や武道館を個人で予約して2分間のお互いに本気で倒すつもりでやる2分間の組手を50ラウンドぐらいいろいろ自分たちで考えたりアドバイスしながら新しい技や動きなどを試しながらやったのでお互いに1ヶ月前よりはレベルアップした状態で大会の臨むことができました。(長男と私の組手のタイプは違いますが実力的にはほぼ互角。どちらかが技ありを取ることもありますがどちらかが一本勝ちになることはほぼなく、私の試合を見て長男にとっては自分が黒帯に対してどのぐらいやれるかの物差しになります。最後の組手稽古が終わった後、どちらかが一本負けする相手にはお互いに一本負けするなと言うことで意見は一致しました。)
50歳を超えた体には正直、キツく何のためにこんな苦しいことをやっているのだろうと思うこともありましたが、最後まで予定していた稽古を続ける事ができたので自分の自信にもつながりました。
(大会の10日ぐらいまではどこまでやれるのかちょっと心配していましたが1週間前ぐらいにはその弱い気持ちもなくなり、とにかく自分のやれることを全て出し切ると前向きな気持ちに切り替わっていきました)
大会でやりたかったことは奈良道場の福田さんとやれるところまで勝ち上がって勝つビジョンを持って戦うことです。
10年前に対戦したときはやる前から勝てるビジョンが全く持てずに、実際にやると手も足も出ずに一方的に負けてしまいました。
そこから私の空手の練習に対する姿勢が大幅に変わって、毎日トレーニングするようなきっかけになったので、10年前とどう変わったか試したい、福田さんに挑戦したいという気持ちが大きかったです。
古流剛柔空手道選手権大会植村杯の予選
小学生の部
大会は小学生の部から。
丸亀道場の子供達3名は残念ながら1回戦で負けてしまいました。
でも、道場での練習の時よりも声が出て勝つつもりで頑張っていました。
大会への出場は本当に緊張しますし、自分よりも圧倒的に強いかもしれない未知の相手と戦うことになるので怖さもあります。
そんな中、いつも以上の戦いができるのは素晴しいことです。
大会に出場した3人は今回の大会を経験していろいろな面で成長したはずなので今後に期待したいです。
中学生の部
中学生の部は1年生のなおきが出場。
中学3年生までが同じグループになるし実際に相手が大きかったので大丈夫かなと心配していたのですが全く問題なかったようです。
鋭くて強い攻撃、素早い動きで勝ち上がり決勝戦に進出しました。
この戦いを見て私もどんな相手が来ても怯むことなく頑張らなければと勇気をもらいました。
有級の部
有級の部はまことと長男が出場。
まことは大学生と戦いました。
変則的な上段蹴りなどを決められながらも最後まで勝つことを諦めることなく戦い抜きました。
長男は一本勝ちで決勝戦まで勝ち上がりました。
一般有段の部
有段の部は私が出場。
有段の部で出場した人の中で最年長です。
戦い方は自分より体幹が強そうな人とはつかまれて投げられる可能性があるのでちょっと間合いを取って戦い、そうでなければ接近戦で戦うつもりでした。
事前に身長を聞かれていたので大学生の大きな人と対戦になるか、私に次いで年長者(40歳代前半)で私に近い身長の勇清会のゆういちと対戦することになるかなと予想していたのですがゆういちと対戦することになりました。
手合わせしたことはなかったのですが丸亀道場に出稽古に来たときの基本や移動稽古などをしているときの技を見てレベルが高いのは知っていたので組手も強いんだろうなと思っていました。
実際に試合で戦うとやはり隙があるようには見えず。
とにかく技ありを取られずに隙を見つけて攻撃する戦いをすることにしました。
何とか技ありを一つ取れて勝つことが出来ましたが、これは時の運で負けてもおかしくない強い相手でした。
次の準々決勝は四国大学の監督。
背が私よりも大きくてガタイが良いのは遠目から見ても良く分かります。
勝ち上がって対戦することになっても長男からは「父さんも普通に見たら大きくてガタイが良いし、長男の攻撃を体で受けてもダメージをほとんど受けない打たれ強さがあるから大丈夫。」と事前に励まされていました。
戦い方は1回戦と同じく技ありを取られずに隙を見つけて攻撃する戦いをすることに。
つかまれて投げに来られたらおそらく私よりパワーがあるのでとにかく耐えるしかないなと思っていたらその通りの展開に。
柔道の巴投げのような技もかけられて人生初体験の技で転がさせられたりしましたがなんとか耐えて、隙を見て最後まで勝つつもりで攻撃を仕掛けましたがタイムオーバー。
どちらも技ありを取ることができず副審4名の判定は2対2。
主審の判定で残念ながら負けてしまいました。
次は念願の奈良道場の福田さんだったので残念でしたが、自分の持てる力はある程度出し切ったのでその点については満足しています。
古流剛柔空手道選手権大会植村杯の決勝戦と3位決定戦
小学生低学年の勝ち上がる子は技ありを取れる技を
一般有段の部が終了したら決勝戦と3位決定戦です。
私は小学校4年生までの主審をしましたが、このレベルになると小学校低学年の子達もレベルが高い。
技ありをしっかり取れる技を持っています。
中学生の部
中学生の部はなおきが勝ち上がりましたが怪我のために棄権で準優勝。
有級の部
一般有級の部は長男が勝ち上がりました。
相手は子供の時から古流剛柔空手をやっている長男とは1学年違いで中学高校は柔道をやっている強い相手です。
打ち合ってつかまれると投げられる可能性が高いからか長男にしてはかなり慎重な戦いをしているなと思いましたが相手が強くて隙がないと私もこうなってしまうのでこういうシチュエーションになってしまうのも良く分かります。
結果は両者技ありなく副審の判定で3対1で負けてしまい準優勝となりました。
一般有段の部
一般有段の決勝戦は奈良道場の福田さんと勇清会のしょう。
レベルの高い戦いを見せてくれて、結果は福田さんの優勝となりました。
閉会式ではありがたいことに私は大会会長賞をいただいて第49回古流剛柔空手道選手権大会植村杯は終了しました。
私自身大会出場を通して多くの面で成長させていただいた実感が
改めて振り返ると大会出場を決めて努力を重ねて自分の力をある程度出し切る過程で私自身いろいろな面で成長させていただいた実感があります。
1ヶ月半前に長男と組手をした感じで言うと長男の方が強いなと
まず、1ヶ月半前に道場で長男と組手をした感じで言うと長男の方が強いなと。
実際に結果としては3回組手をやって技あり1回ずつでしたが、スピード、威力、パワー、体幹の強さは確実に長男の方が上で隙も見えずに立ち技の状態では長男に対して決め手がほぼなかったのが正直なところでした。
長男の早い攻撃に体も反応できないときも多く、体に攻撃を受けると嫌な痛さを感じてその攻撃を避けるためにちょっと逃げ腰になり自分の攻撃よりも受けに回る時間も長く、ダメージも大きく2日ほど胸が痛くて寝返りが打てなかったぐらいです。
(ただし長男もこの時点ではスタミナに課題があり、私はまだまだやれるスタミナがありましたが長男は腕も上がらないぐらいバテていました。)
これでは一般有段の部では勝ち上がれないだろうなと言うのが正直なその時の感想。
不安の払拭するためにトレーニング量を増やす
なのでゴールデンウィークに師範に大会出場を申し込んだ後、朝、仕事前に週3日程度ジムで機材の筋トレ20分ぐらいとウォーキング30分ぐらいしていたのをウォーキングをやめてジムで筋トレした後、自宅に戻ってまめたまの筋トレ日記のYouTube超高強度の部位毎の筋トレ(大胸筋、腹筋、背筋、下半身、体幹)を30分程度やることで体幹を強くすることと夜は長男から自宅の駐車場で組手の練習相手を頼まれたので1㍍×5㍍のゴムマットを4つ購入してミット打ちと組手の稽古1時間程度を週3日ぐらい普段のトレーニングに追加しました。
組手は狭いのでマスの組手ですが接近戦になるのでお互いに蹴りを取ったりすることができるようになったり、お互いに顔に隙があることが分かったの掌底での攻撃などを軽く入れたりして顔の意識を強化することができました。
2週間ぐらいこの組手の稽古をやると長男の動きはどんどん良くなってきて私の体に攻撃を当てれるようになるのに私の攻撃は長男に当たらないようになってどんどん自信がなくなってきて出場したことを後悔したり、夜に組手の稽古をすると体が興奮して寝付けなくなって睡眠不足が続き何の為にこんな苦しいことをしているんだろうと思うようになってきました。(ただ、道場の組手ではこれまで反応できなかったような蹴りを取ることができるようになってきたり少なからず動きが良くなってきている実感もありました)
大会の2週間前の昇級昇段審査で初段補受験の大学生の相手をしている大会に出場する黒帯の組手を見るとみんな大きくて強いし勝てそうにないなと言うのが私の正直な感想。
努力をやりきった結果、自信を持って大会に挑むことが
もっと本気で仕上げないと勝負にならないと思い、ここから大会前の水曜日、土曜日、水曜日と3回体育館や武道館を予約して長男とガチ組み手をすることに。
まず、初めの水曜日はミットを軽くやった後、2分のガチ組み手を20回ほど。
長男に手をもたれて崩されて技ありと取られることが多く、私は2回ぐらいしか長男から技ありがとれずに、長男には10回以上技ありを取られてしました。
私は手応えがなくもっと組手をやりたかったのですが長男が全身疲労で腕が上がらなくなったので20回ほどで組手は終了。
この日は他に週2回程度足腰の強化やスタミナ向上の為にやっているバスケットボールの1ON1対決を長男と1時間。
夜は合気道の稽古に行って2時間の合計5時間ぐらいトレーニングをやりました。
10年ぐらい前に大会に出たときはこの3分の1もできなかったと思うので私の体が以前より強くなっている事は実感出来ましたがこの時点ではまだまだ大会に出場する不安が大きかったです。
土曜日は覚悟を決めて長男の攻撃を被弾することを恐れずに前に出て攻撃する意識を持つことに。
それが良かったのかこの日も2分のガチ組み手を20回ほどやって、長男に腕を持たれても崩されなくなり、お互いに技ありは同じぐらいでほぼ互角の戦いが出来るように。
長男から「今の攻撃、体にまともに入ったからかなり効いたやろ?」と何回か聞かれても一瞬痛みを感じるだけで後に残るダメージもほぼなく打たれ強くなっていることも実感。
ある程度、手応えと自信が持てるように。
この日ももう少し組手をやりたかったのですがお互いに腕が上がらなくなり翌日は道場の稽古もあるので組手を終了。
次の日の道場の組手でもしっかり長男と組手をやるつもりでしたが、疲れが蓄積していてお互いに1回やっただけで腕が上がらなくなり、終了。
大会前の水曜日は大会に疲れを残すとまずいのでやるかやらないか迷いましたが、午前中仕事を有給で休んで体育館で長男と2分のガチ組み手を10回程度。(本当はいつも通り20回やりたかったのですが疲れを残さないために集中して少ない回数をやることにしました)
8回目までは私の方が長男をおして技ありと取る数も多く、長男の方が逆に自信をなくしていましたので、私が過去の古流剛柔空手の大会の動画を見て戦い方のイメージトレーニングもしたよと教えると早速、その動画を長男が見て小野さんの戦い方が自分にはしっくり来るかもとこれまでのスタイルから少し変えて残り2回の組手を。
スタイルが変わるとまた、私の攻撃が通用しなくなり、どちらも技ありがとれずに最後の組手を終了しました。
(この日も先週と同じくバスケットボールの1ON1対決と合気道の練習もしてさすがに疲れがたまっていたのか合気道の練習中に顔が険しいので体調大丈夫ですか?と心配されてしまいました。)
納得できる稽古を最後までやりきったので私の大会への不安もなくなり自信を持って大会に望むことができるようになりました。
こんな感じで今回の大会は長男と二人三脚でお互いに協力したりアドバイスし合いながら親子で成長することが出来ました。
本当に良い機会が得られたと思っています。
これからも親子で切磋琢磨しながら頑張っていきます。
押忍。